<Header>
<Author: 杜甫>
<Title: 登岳陽樓>
<Format: 格式不明>
<Year: 1988>
<BookName: 唐詩三百首詳解  上卷>
<Translator: 田部井文雄>
<style: 現代文有假名>
<style2: 日本現代譯文附假名標注>
<TranslatedTitle: 岳陽楼に登る>
<BookPage: 365>
<UsedPage: 1>
<Feature: 0>
<End Header>
<Poem>
昔聞洞庭水，
今上岳陽樓。
吳楚東南坼，
乾坤日夜浮。
親朋無一字，
老病有孤舟。
戎馬關山北，
憑軒涕泗流。
<End Poem>
<Translation>
ずっと以前（いぜん）から聞（き）いていた洞庭湖（どうていこ）の水（みず）の広（ひろ）がる景観（けいかん）を、今（いま）ここに、その岳陽楼（がくようろう）に登（のぼ）って眺（なが）めているのだ。ここ呉楚（ごそ）の大地（だいち）が、中国全土（ちゅうごくぜんど）の中（なか）の東南（とうなん）の位置（いち）で、洞庭湖（どうていこ）によって二（ふた）つに切（き）り裂（さ）かれ、天地（てんち）の間（あいだ）のすべてのものが、昼（ひる）となく夜（よる）となくこの湖水（こすい）に浮（う）かぶように映（うず）っている。

肉親（ないしん）や友人（ゆうじん）からはわずか一字（いちじ）のたよりもなく、老（お）いて病気（びょうき）がちの身（み）に、あるものは一（ひと）そうの小舟（こふね）ばかり。関所（せきしょ）のある山々（やまやま）の北（きた）の地（ち）では、今（いま）もなお戦乱（せんらん）が続（つづ）いており、それを思（おも）えば高楼（こうろう）のてすりにもたれかかっては、とめどもなく涙（なみだ）が流（なが）れる。
<End Translation>